早く帰りたければ、自分でも処方箋をチェックしましょう
いつもの薬は余っているからと湿布だけお願いした患者さん。
混雑の中、ひたすら待って出てきたのはいつもの飲み薬。
「えー、先生ったら聞いてなかったのかしら。湿布だけって言ったのに」
と憤慨し、こちらで疑義照会して湿布に変更、疲れてお帰りになりました。
こんなことは日常茶飯事です。
医師だって人間、聞き違い、聞き逃し、誤解などで希望と違う処方をしてしまうことがあります。
そういったことをお薬を渡す時に確認して、間違いがあれば問い合わせて双方納得の薬をお渡しするのも薬剤師の仕事です。
しかし、院外処方のデメリットともされていますが、これ医師に確認取るのに時間がかかっちゃうんですよね。
病院でも散々待った患者さんには苦痛だったりします。
ミスをしたのは医師ですから、医師の責任はもちろんありますが、自分でもある程度この手のミスは防げるのをご存知ですか?
処方箋は何も暗号で書かれた謎の文書ではありません。一般名処方になって少し患者さんにわかりづらくはなりましたが、湿布が出てるか、錠剤が出てるか、薬が1種類だけかたくさん出てるかなんてのは、ちゃんと処方箋を確認すれば知識がなくてもわかります。
こんなにたくさん薬出る予定じゃないはず、と思った時点で病院や薬局の受付で内容を確認すれば、お薬が処方通りに出来上がって問い合わせるより格段に時間を節約できます。
医師も間違えるという認識を持って、自分の身を自分で守る努力もしましょう。
飲んだら即ベッド。睡眠薬の鉄則
寝つきの悪い人向けの記事で、よく
「ベッドは寝る場所と意識づけるため、眠くなるまではベッドに入らないこと。ベッドで眠れないまま過ごさないこと」
というのが挙げられます。
たまに眠れずにいる人はそれもいいでしょう。
でも睡眠薬を飲んだ状態の人にこれは当てはまりません。
とくに短時間しか効かない睡眠薬を飲んでこれをやったら、睡眠薬の効き目が切れるのをベッドの外で待っていることになります。
この状態は大変危険です。この、睡眠薬を飲んだけど眠れてない、という時間帯にやったことって、朝覚えてないことが多いのです。
自分が食べ散らかした物や記憶にないメールを送ったりということにびっくりするなど、お酒を飲んだ後の失敗みたいなことをやらかす人もいます。
睡眠薬を飲んだら即ベッド!きちんと守りましょう。
まずこのひとに聞いてみたい、よろず薬剤師
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海外でお薬の犯罪者にならないために
有名人の覚醒剤所持がニュースを賑わせていますが、日本では普通に飲んでいるお薬が、海外で違法所持になってしまうことがあるのをご存知ですか?
たとえば睡眠薬のフルニトラゼパム。先発品だと、サイレースやロヒプノールといった名前の医薬品です。日本でもわりと管理の厳しい医薬品の部類に入りますが、これをアメリカに持ち込むことは違法です。
その逆もあります。
アメリカではADHD、注意欠陥障害の治療薬として覚醒剤のアンフェタミンが一般的に処方されています。
でも日本では違法薬物。覚醒剤の違法所持者になってしまいます。
それを知らずに持ち込んだアメリカ人患者が逮捕されたなんてこともあります。
でも持病の治療に必要で飲んでいる人は、その国の法律に合わないからって突然薬をやめるわけにはいきませんよね。
そんな人は、薬剤証明書を医師に発行してもらいましょう。
英文で、こういう治療でこういう薬を処方している、と医師が証明してくれる書類です。
これは万能ではないですが、少なくとも売りさばいたり犯罪のために薬を持ち込む気はないという証明になります。
入国先によってどうしても持ち込めない物もありますし、モルヒネなど麻薬に分類されるものを常用していると、それ以外の手続きも必要な場合があります。
渡航時には十分に注意して、万全の準備をして海外旅行を楽しみましょう。
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薬局がただの薬渡し屋になるかどうかはお互い次第
患者さんによって薬剤師への考え方はかなり差があります。
お薬は全部この薬局でもらって、管理してもらってるから安心よ、という患者さん。
医者でもないのに症状についてあれこれ聞かないで、薬局は薬を用意すればそれでいいという患者さん。
どちらの意見がいいとも悪いとも思いません。
薬局を頼りにしてくださるのは嬉しいけど、できることには限界があると感じることもあります。
薬局の1番の役割は処方された薬を手配し、患者さんに提供することですから、それ以外の利用法は考えないと言われたら、それはそれで仕方ないです。
でも、薬局の薬剤師は日々新しい薬について勉強したり、サプリメントのことや健康法などの患者さんからの質問について調べたり、お薬の提供だけでない、お薬とその周辺の「情報の提供」をできるよう準備して、相談されるのを待っています。
「お薬のことで何か気になることがあればいつでもご相談ください」と度々声をかけ、薬をもらう以外の場所として薬局を使っていいんですよ、というメッセージを送っています。
薬以外必要ない人にはうっとうしいでしょう。適当にあしらってもらって構いません。
実は薬について先生に聞けていないことがあったという人には、じゃあここで聞いていいのかなと考えるきっかけになるかもしれません。
薬局をただの薬屋として使うか、健康相談室としても使うか、どう使うかはあなた次第です。
薬局が薬屋だけにとどまるか、健康全般について頼りになる場所として発展していくかはその薬局次第です。
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